女性特有の腰痛の原因は?腰痛にならないための予防方法となったときの正しい対象法

朝起きるとき腰が痛い、仕事終わりはとくに腰痛がひどくなる、慢性的に鈍い痛みがあるなど、腰痛の状態は人によって違います。腰痛の原因もさまざまですが、女性特有の原因によって腰痛が生じる場合があります。もしかしたら婦人科系の疾患を抱えているかもしれないため、「たかが腰痛」と軽く考えず慎重に対応しなければなりません。女性特有の腰痛原因と対処法、腰痛の予防方法について解説します。
まずは女性特有のホルモンが作用する腰痛を知っておきたい
まずは、女性だけが経験する腰痛原因について知っておきましょう。女性特有のホルモンの動きが、腰痛に関わっています。キーワードは「生理」「妊娠」「更年期障害」の3つです。
・生理による腰痛
生理痛といえば腹痛や頭痛が一般的ですが、腰痛を引き起こす人もいます。生理時には子宮内膜からプロスタグランジンというホルモンが分泌されます。このプロスタグランジンは、子宮を収縮させて経血の排出を促しますが、このとき血管も収縮させます。血管が収縮すると血流の悪化につながり、冷えを引き起こすため、体の冷えが筋肉の緊張に繋がって腰痛を感じる人もいます。
・妊娠・出産に関わる腰痛
妊娠すると、リラキシンという女性ホルモンが分泌されます。リラキシンには骨盤周りの関節や靱帯をゆるめる作用がありますが、関節や靱帯がゆるむと、腰回りの筋肉に負担がかかります。筋肉量の少ない人はとくに、腰回りに痛みを感じます。
なお、お腹が大きくなってくると立ち姿のバランスが変わります。多くの人は大きなお腹をせり出し、腰を反ってお尻を突き出すような立ち姿になります。腰が過剰に反ると背骨に負担がかかり、腰痛が生じます。
・更年期障害のための腰痛
更年期になると、エストロゲンという女性ホルモンの分泌量が減少します。すると血液の循環が滞り、冷えが生じて腰痛を感じやすくなります。
女性に多い腰痛の原因4つ
次に、男女関係なくある腰痛原因のうち、とくに女性に多い腰痛原因について知っておきましょう。思い当たることがあるかもしれません。
・筋力不足
女性は男性に比べて筋肉がつきにくい体をしています。筋肉量が少ないと、腰痛になりやすくなってしまいます。なぜなら、背骨をまっすぐに支えてくれる筋肉がないぶん、背骨や腰椎にかかる負担が大きくなってしまうためです。正しい姿勢を維持できず体に歪みが生じ、腰痛を引き起こすこともあります。
・長時間の座り仕事
受付や事務など、長時間の座り仕事では腰に負担がかかり、腰痛になりやすくなります。座っているときは立っているときよりも背骨に負担がかかり、また長時間正しい座り姿勢を保つのは難しいためです。猫背になったり、腰を過度に反らせたりすると、腰への負担が大きくなります。
・自律神経失調症
女性はホルモンの影響を大きく受け、ホルモンバランスの乱れは自律神経の乱れに繋がることがあるため、自律神経失調症になる傾向が男性よりも高いとされています。自律神経失調症になると、痛みに対して敏感になることがあります。よって、腰痛も感じやすくなります。
・骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
骨粗鬆症とは、骨の中のカルシウム分が少なくなり、骨の強度が低下してしまう疾患です。女性は閉経すると、骨の代謝を司るエストロゲンの分泌が低下します。すると骨粗鬆症を発症しやすくなります。
骨粗鬆症になると骨がもろくなるため、ちょっとした衝撃で骨にダメージを負うことがあります。骨粗鬆症の状態で腰回りの骨に負担がかかれば、腰痛が発症しやすくなります。
腰の周辺が痛む症状のある疾患
上述のように、女性の腰痛には考えられる原因がたくさんあります。しかし、「デスクワークだからしょうがない」「そういう年頃だからしょうがない」と放っておくと、重大な疾患を見逃してしまうことになりかねません。
慢性的な腰痛に不安を覚えたり、不正出血があるなど他の症状が伴ったりしたら、しっかり受診して不安を解消しておきましょう。腰の周辺が痛む疾患には、例えば次のようなものがあります。
・子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍です。腫瘍が大きくなると腰椎を圧迫し、腰痛になることがあります。生理が重くなった、不正出血があるなど、腰痛とともに生理の悩みが生じたときは婦人科へ行きましょう。
・子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮の内側を覆っている内膜が、腹膜や腸膜など子宮以外の場所にできるものです。生理とリンクして出血するため、生理痛がひどく、腰痛を感じます。
・脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症とは、脊椎内を通っている神経の束である脊柱管の幅が狭くなり、神経が圧迫されて痛みやしびれが生じるものです。男性よりも女性の方が多く発症すると言われています。腰痛だけでなく下肢のしびれを感じたら、一度整形外科で診断を仰ぐのがよいでしょう。
・消化器系疾患
胃や十二指腸、胆嚢、膵臓の疾患により、腰痛が引き起こされる場合があります。腰痛になる原因が見当たらないのに、安静にしていても慢性的に腰の痛みがあったり、吐き気を伴ったりする場合は、いったんかかりつけ医に相談するか、消化器科を受診してみましょう。
・血管の疾患
お腹を流れる大きい動脈の血管壁に、大きなコブができてしまう疾患を腹部大動脈瘤といいます。腹部大動脈瘤が破裂すると、激しい腰痛に見舞われることがあります。腰に衝撃を受けたわけでもないのに、急に激しい腰痛が襲った場合は、早急の措置が必要です。
腰痛になったときの対処法4つ
辛い腰痛をなんとかしたいと感じたら、次の4つの対処法で悪化を防ぎましょう。実践しやすいものから順にご紹介します。
・まずはリラックス
ストレスがあると、体の痛みが起こりやすくなることが知られています。ストレスを感じると血流が低下し、冷えを引き起こすためです。また、痛みを抑えるオピオイドという物質の分泌量がストレスによって減少するためです。
温かいお茶を飲む、好物のお菓子を食べるなどしてまずはリラックスしましょう。
・腰を温める
とくに女性ホルモンの分泌量が影響する腰痛では、血流低下による体の冷えが痛みに繋がっています。ブランケットを腰に巻く、カイロを利用するなどの方法で腰回りを温めましょう。入浴もおすすめです。
・ストレッチをする
冷えから来る腰痛、また座り過ぎなど運動不足から来る腰痛を抱えている人は、血流をアップさせ凝り固まった筋肉をほぐすために、ストレッチを行いましょう。例えば、次のようなストレッチがおすすめです。
〈体側伸ばし〉
バンザイをして、右の手首を左の手でつかみます。そのまま上体を左の方へ倒しましょう。腰を気持ちよく伸ばすことができます。反対側も同様に行います。
〈半身ひねり〉
椅子に座ったまま、椅子の背もたれなどをつかんで後ろの方を見るようにして、体を左右にひねります。オフィスでもこっそりできるストレッチです。
〈スフィンクス・ストレッチ〉
ヨガマットなどへうつ伏せになり、肘を床につけて上体をゆっくり起こしましょう。腰を反らせたスフィンクスの完成です。そのまま10秒キープして、ゆっくり元の姿勢に戻ります。
※脊柱管狭窄症の方は腰を反らせると痛みが生じやすい場合があります。脊柱管狭窄症の診断が出ていたら控えましょう。
・専門医の診断と治療
慢性的な腰痛があったり、腰痛の他に症状があったりしたら、早めの受診がおすすめです。婦人科、整形外科、消化器科など、ご自身の痛みや不安に合った専門医を受診しましょう。何科にかかれば良いか迷う場合、まずはかかりつけ医に相談するのも良い方法です。
腰痛にならないために!予防法3選
腰痛にならないためには、日々予防を心がけることが重要です。できることは、いたってシンプル。3つの腰痛予防法をご紹介します。
・適度な運動とストレッチ
腰痛の敵は体の冷えです。女性はホルモンの作用で、どうしても体が冷えがちなので、適度な運動とストレッチによって血流をアップさせて体を温め、筋肉をほぐすことを習慣にしましょう。
「運動が苦手」という人も、歩くことなら取り組みやすいため、いつもより少し多めに、あるいは早足で歩くだけでも、血流はアップします。
・生活習慣の改善
女性の体はホルモンの影響を強く受けます。ホルモンバランスが乱れると自律神経に影響し、腰痛などの痛みを感じやすくなります。少しでも自律神経が整うよう、生活習慣を改善しましょう。
具体的には早寝早起きの規則正しい睡眠、栄養バランスの取れた食事、禁煙、過度なアルコール摂取を避けるなどです。
・腰回りの負担が軽くなる椅子選び
現代人は日常生活の多くを座って過ごしています。なるべく腰回りの負担が軽くなる椅子を選びましょう。とくにテレワークが多く、リビングの椅子などで作業をしている人は、自宅にもワーキングチェアを導入するのがおすすめです。
椅子が体に合っていないと腰痛の悪化につながります。椅子に座ったとき足の裏が床にしっかりつくよう調整しましょう。背もたれに体を預けすぎると腰に負担がかかるため、作業中は姿勢をなるべくまっすぐに。お尻が痛くなるようなら、クッションを敷きます。
クッションは、フカフカと柔らかすぎるものを選ぶと姿勢が安定せず、長時間利用するとかえって腰に負担がかかります。ジェル製など、適度に硬めのクッションを選ぶのがおすすめです。デスクワーク用のクッションであれば腰への負担が最小限に抑えられ、さらに安心です。
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チェックまとめ
□女性特有の腰痛の原因はホルモンバランスの乱れによるものが多い
□腰を温めてストレッチし、筋肉をほぐすのがおすすめ
□生活習慣や椅子の見直しを行って腰痛予防を