坐骨神経痛とは?坐骨神経痛になる原因や症状をチェック!続く坐骨神経痛への対処や治療方法をご紹介
慢性的な腰の痛みを感じている人は、もしかしたら坐骨神経痛になってしまっているかもしれません。
「坐骨神経痛ってよく聞くけれど、実際にはどんなもの?」「坐骨神経痛と診断されたら、どんな治療方法があるの?」と思っている人のために、坐骨神経痛の原因や症状、対処方法、治療法について解説します。
坐骨神経痛のセルフチェックも設けているため、ぜひ参考にしてください。
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛とは、腰椎(背骨の腰の部分)から下肢にかけて現れる痛みやしびれの総称です。
よって「坐骨神経痛」というのは一つの疾患を表しているものではありません。
さまざまな疾患により、坐骨神経痛が引き起こされます。
・坐骨神経とは
人間の神経系は、中枢神経と末梢神経に分類されます。中枢神経は脳と脊髄にあり、脊髄に各所の刺激を伝える神経を末梢神経といいます。坐骨神経は、末梢神経としては最大となる神経の束です。
坐骨神経は、体の各部分を動かす運動神経、痛みや温度などの感覚を中枢に伝える知覚神経、意思とは関係なく各機能を調整する自律神経の3つで構成されています。
・坐骨神経はどこにある?
坐骨神経は、骨盤の一番下にある「坐骨」からお尻の筋肉である「梨状筋」を通り、足の方へ伸びています。坐骨から太ももの中ほどまでは太い一本の束状ですが、膝上あたりから「総腓骨神経」と「脛骨神経」とに分かれます。そしてふくらはぎを通り、足先までつながっています。
坐骨神経痛の症状チェック
以下のいずれかに、当てはまる症状があるでしょうか。当てはまる物が多いほど坐骨神経痛に陥っている可能性があるため、参考にしてください。
□腰が痛いだけでなく、お尻や足にしびれを感じる
□前屈すると腰痛がひどくなる
□腰を後ろに反らせると痛みがひどくなる
□しびれのあるところに触れたとき、しびれのないところよりも感覚が鈍く感じる
□常に足の裏で何か踏んでいるような違和感がある
□足に力が入らないときがある
□しばらく歩くと休まなければならないくらい、しびれや痛みが強い
□くしゃみをすると下半身にしびれが広がる
□残尿感を感じるようになってきた
□最近、頻尿だ
坐骨神経痛のセルフチェック方法
特定の姿勢を取ることで、坐骨神経痛かどうかをある程度推測することができます。以下、2つの方法で調べてみましょう。もし坐骨神経痛ではないかと思える結果が出ても、自分で判断せず、医師に正しく診断してもらうことをおすすめします。
・SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)
SLR(Straight Leg Raising)テストとは、仰向けのまま片足を伸ばし、どの程度まで上がるかを見て坐骨神経に障害があるかをみるテストです。以下のような流れでテストを行います。
① 仰向けに寝る。
② まっすぐ脚を伸ばしたまま、ゆっくりと脚を上に挙げる。(誰かに挙げてもらうとよい)
坐骨神経痛のない人は、70度以上は楽に脚を挙げることができます。しかし坐骨神経に障害があると、挙げている脚に痛みやしびれが出てしまい、あまり挙がりません。
・スランプ姿勢
腰を丸めた姿勢を「スランプ姿勢」といいます。腰を丸めて座り、脚を伸ばすことで痛みが出ると、坐骨神経痛の可能性があります。
① 椅子に深く腰掛ける。
② 腰を丸める。
③ そのまま片足を、床と水平になるまで挙げる。
脚にしびれや痛みが出たら、坐骨神経痛かもしれません。
なかには、前屈みの姿勢をとるだけで痛みやしびれが出る人もいます。こうなると、腰椎椎間板ヘルニアになっている恐れがあります。椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板というクッション材が変形して飛び出してしまう疾患。前屈みになることで椎間板の位置が移動し、神経を圧迫してしまいます。
坐骨神経痛になる原因と痛みの症状
坐骨神経痛になる原因には、例として次のような疾患があります。
・腰部脊柱管狭窄症
腰椎の内部には、脊柱管と呼ばれるトンネルが縦に通っています。このトンネルが何らかの原因で狭くなる疾患が、腰部脊柱管狭窄症です。
狭くなった脊柱管を通る神経が圧迫され炎症が生じると、腰やお尻、足に痛みやしびれが現れます。
失禁したり、長時間歩くことができない「跛行(はこう)」という症状が出たりすることもあります。
・腰椎椎間板ヘルニア
腰椎は、椎骨と呼ばれる小さな骨が複数積み上がってできています。
椎骨と椎骨の間でクッションの役割をしているのが、円盤状の軟骨である椎間板です。
この椎間板にひび割れができ、中身の髄核が飛び出てしまった状態が腰椎椎間板ヘルニアです。
ヘルニアが生じると、飛び出た髄核が神経を圧迫し、足腰に痛みやしびれが出ます。
腰部脊柱管狭窄症と同様、失禁や跛行が出ることもあります。
・変形性腰椎症
椎骨と椎骨の間でクッションの役割をしている椎間板が傷んできて、クッションの役割を果たせなくなるのが変形性腰椎症です。椎骨のへりの部分に骨棘(こっきょく)という出っ張りが出てきたり、椎間板がすり減ってしまったりすることで痛みが出ます。椎間板の傷みが進むと腰椎椎間板ヘルニアになったり、骨棘によって脊柱管が狭くなると腰部脊柱管狭窄症になったりします。
歩く、起き上がるなど動作を開始したときに腰に痛みが生じるのが特徴です。進行して腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症になると、動作を初めてしばらくしてから痛みが生じるようになります。
坐骨神経痛の期間はどれくらい?
坐骨神経痛は、2~3週間程度は続く人が多いと言われています。なかでも、最初の1週間程度が痛みのピークです。2週間ほど経てばだんだん治まってきます。3週間以上強い痛みが続いている人は、対処法を見直しましょう
坐骨神経痛の治療法の種類
坐骨神経痛の治療法は、主に以下の5つです。
・物理療法
整形外科や接骨院、整体院で電気をあてる、マッサージをしてもらうなど、体に物理的な刺激を与えて治療します。ほか、腰回りを温めて凝り固まった筋肉をほぐす温熱療法もあります。入浴も温熱療法の一つです。
・運動療法
ウォーキングや体操、ストレッチなどで血流を促します。すると、患部に新鮮な酸素と栄養を届けることができます。跛行や排尿障害といった深刻な状況にある人以外に使える療法です。運動により腰回りの筋肉が鍛えられることで、腰痛予防にもなります。
・装具療法
身体機能をサポートする機器を体に装着します。コルセットを身につけ、腰椎をしっかり支えて安定させることで痛みを緩和させます。とくに痛みが強いときに有効です。
・薬物療法
痛みや炎症を抑えるために投薬します。あくまで痛みを抑える対症療法なので、痛みの強いときだけ使用します。そして激しい痛みや強い炎症が治まったら、他の療法にとりかかります
・ブロック療法
「ブロック注射」「神経ブロック注射」と呼ばれる麻酔注射を背骨に打ちます。知覚神経の働きを一時的にマヒさせることで、痛みを和らげます。痛みが和らぐと筋肉の緊張が取れ、血流が良くなるため、薬の効果が切れても激しい痛みが戻ることはありません
坐骨神経痛時のNG行動
坐骨神経痛にセルフケアは重要ですが、なかにはかえって悪化してしまう行動もあります。以下の4つには気をつけましょう。
・自己流のマッサージ
マッサージをすると、揉んでいるところの温度が上がるため一時的に痛みが軽くなったかのように思えます。しかし、自己流のマッサージで筋肉を傷めてしまった場合、体が冷えると痛みがさらに強くなります。「ここを揉めば良くなる気がする」といった勘に頼らず、医師や整体師などプロに任せ、自宅でもマッサージをと考えるなら指導を仰ぎましょう。
・安静にしすぎる
あまりに痛みが強いときは安静にしていた方がよいですが、長時間の寝姿勢、座り姿勢は腰椎の変形を招きます。結果、坐骨神経痛が悪化する恐れがあります。痛みが和らいだら、様子をみながら日常生活を送り、かなり痛みが引いたならウォーキングなどの軽い運動をしましょう。
・自転車に乗る
自転車は正しい座り姿勢を保ちにくい乗り物です。どうしても猫背の姿勢になりがちなので、背骨が正しいカーブを描けず腰に負担がかかります。通勤の都合などでどうしても自転車を使わなければならない場合は、短時間の使用にとどめましょう。
・重い物を持つ
重い物を持つ行為は、腰にかなり負荷がかかります。どうしても重い物を持たなければならないときは、直立のまま腰をかがめ腕で荷物を持ち上げるのではなく、背筋をまっすぐに保ちながら膝を折って荷物を持ち、そのまま起き上がることで荷物を持ち上げましょう。腰や腕の力に頼るのではなく、下半身の大きな筋肉を使って荷物を持つのがポイントです。
坐骨神経痛になりやすい人とは?
坐骨神経痛は、腰に負担のかかる動作が多い人ほどなりやすいといえます。例えば次のような人です。
・激しいトレーニング
野球やゴルフといった体をひねるスポーツをしている人や、腰回りに繰り返し大きな負荷をかけるトレーニングをしている人は、腰椎椎間板ヘルニアを発症することがあります。
・長時間のデスクワーク
座り姿勢は、休んでいるように見えるかもしれませんが、実は立ち姿勢よりもはるかに腰への負担が大きい姿勢です。骨盤部が上半身の重みを一手に引き受けるうえ、猫背など背骨を歪ませる姿勢が続くことによって、腰回りに負荷がかかります。デスクワークのほか長距離運転手など、座る姿勢が多い仕事の人は要注意です。
・立ち仕事
背中が丸まったまま、あるいは背中を反らせる姿勢のまま立ち仕事をしている人は、姿勢のゆがみから腰痛を引き起こしやすくなります。また、ずっと立ち姿勢のままでいると血流が悪くなり、筋肉疲労につながって腰の痛みにつながります
・運動不足
悪い姿勢で一時的に腰痛になっても、ウォーキングやストレッチなどで体をほぐす習慣があれば、自然に治ることがあります。しかし運動不足の人は体の歪みがリセットされにくいため、腰痛を引き起こしやすくなるといえるでしょう。また、運動不足により腰やお尻の筋肉が硬くなることで坐骨神経を圧迫すると、痛みやしびれが起こります。
・加齢
年をとると背骨の変性が進み、脊柱管が狭くなってきます。よって他に思い当たる原因のない人でも、たんに加齢によって腰部脊柱管狭窄症を引き起こすことがあります。また、加齢により硬くなった腰回りの筋肉が坐骨神経を圧迫すれば、坐骨神経痛が生じます。
・内臓疲労
内臓が疲れたり疾患があったりすれば、体は自然と傷んでいる内臓をかばいます。すると正しい姿勢を保てず、体に歪みが生じます。この歪みが腰回りの負荷につながり、腰痛を引き起こします。
・ストレス
精神的なストレスによって生体エネルギーがダウンし、また血行不良に陥ります。これによって腰痛が生じます。
坐骨神経痛の予防について
坐骨神経痛が治ってきたら、予防に努めたいものです。坐骨神経痛予防は日常生活の中でできます。以下の5つを意識しましょう。
・適度な運動
筋肉や関節が固まらないよう、日常的に適度な運動をします。ウォーキングや体操がおすすめです。体操では素早く腰をひねるような動きは避け、痛みを感じない程度にゆっくりした動きを意識しましょう。起床後など行うタイミングを決めておくと継続しやすくなります。
・食事内容に気を配る
骨を強くするカルシウム、筋肉を作るタンパク質、神経の修復を促すビタミンB12を積極的に摂りましょう。カルシウムが多く含まれている食品は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、イワシなどの魚、わかめやひじきなどの海藻です。タンパク質が多く含まれるのは肉や魚、大豆製品、卵など。ビタミンB12はアサリやシジミなどの貝類、イワシなどの魚、牛乳やチーズに含まれています。
・ストレッチ
筋肉や関節を柔らかくするため、毎日のルーティーンにストレッチを取り入れましょう。とくにお尻の後ろにある梨状筋を伸ばすストレッチは、坐骨神経痛の緩和に効果的です。手を後ろについて床に座り、片方の足をもう片方の膝に乗せ、そのまま上半身を倒していくストレッチをすると、お尻の筋肉が伸びるのが分かるでしょう。
・下半身の冷えに気をつける
体が冷えると血流が滞り、筋肉が硬くなります。とくに下半身の冷えに気をつけましょう。寒い時期は腰に膝掛けを巻いたり、カイロを利用したり。しっかり入浴するのも効果があります。
・正しい姿勢
猫背などの歪んだ姿勢は腰に負担がかかります。背筋を伸ばし、正しい姿勢でいることを心がけましょう。とくに座るときは「骨盤を立てる」ことを意識します。骨盤を立てるとは、骨盤が後ろにも前にも傾かず、座面に対して垂直に立っている状態です。この状態が一番、腰に負荷がかかりません。
イメージが湧かないという人は、一度お尻が背もたれにつくまで深く座り、そのまま静かに上半身を起こしてみてください。お尻の下にある坐骨が、しっかり座面に当たっているのを感じられるでしょう。これが、骨盤が立った状態です。
猫背になったり背もたれに体を預けすぎたりすると、骨盤は後ろに倒れ、腰に負担がかかりやすくなります。過度に背中を反らせると骨盤が前に倒れます。上半身は、天井からまっすぐ下りてきた糸に吊されているようなイメージで、背筋を伸ばした状態を保ちましょう。
正しい座り姿勢を続けると、坐骨がしっかり座面にあたることから、お尻が痛くなってきます。痛みから逃れようとすると姿勢が歪むため、お尻が痛くならないようクッションを活用するのがおすすめです。
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【まとめ】
□坐骨神経痛の主な症状は腰から下肢にかけての痛みやしびれ
□坐骨神経痛の原因となる疾患はさまざま
□立ち仕事や座り仕事など長時間同じ姿勢でいる人が発症しやすい
□5種類の治療法で坐骨神経痛は和らぐ
□座り方を含めた日常生活の改善で坐骨神経痛は予防可能