デスクワークの腰痛原因は座り方や椅子選びにあった!反り腰になる原因と予防、腰に負担をかけにくい椅子の選び方についてご紹介

モデルのような座り方、憧れますよね。
オフィスでもできれば美しく座って仕事をしたいと、腰を反り、背筋をピンと伸ばしていませんか。実は、その姿勢が腰痛を引き起こす原因になっているかもしれません。
デスクワークで腰痛に悩まされている人のために、とくに今回は「反り腰」に注目し、反り腰になる原因や予防、腰に負担をかけにくい椅子の選び方についてご紹介します。反り腰になっているかどうかを調べるチェックリストもありますので、気になる人はチェックしてみてください。
若い女性でも多くの人が腰痛に苦しんでいる
腰を反らせた座り方は見た目が美しいため、問題だと思われないケースがあります。しかし、若い時から悪い姿勢を続けると、後に大きな問題を生み出すことになりかねません。
日本整形外科学会プロジェクト委員会の依頼で日本リサーチセンターがまとめた「腰痛に関する全国調査」によれば、20代女性の34.8%が治療を必要とするほどの腰痛経験があります。
それが30代では47.8%という数字と跳ね上がるのです。
つまり30代女性の約半数が、症状の重い腰痛を経験していることになります。
また、こうした腰痛の影響について、20代女性は7%が入院したと答えており、仕事・学校・家事を休んだ人は26.5%もいるのです。
男女含めた全年代ではありますが、治療を必要とするほどの腰痛を経験した人の3割が、腰痛を毎年繰り返していたと答えてもいます。
若い頃から腰に負荷のかかる姿勢を続けると、将来のリスクとなるのです。
座っている姿勢の負担は意外に大きい
そもそも、座ること自体が身体への大きな負担になっています。
座っている時足は楽になりますが、立っている時よりも腰に負担がかかります。
スウェーデン生まれの整形外科医師であるナッケムソンの有名な論文「姿勢の変化による椎間板内圧の変化」によれば、立っているときの椎間板にかかる負荷を100%とすると、座っている姿勢は負荷が140%になります。
前かがみで座るとさらに負荷は185%に増えます。座る姿勢は身体への負荷が大きいことが分かります。
デスクワークで腰痛になる原因
座り姿勢が意外に腰へ負担をかけていることがお分かりいただけたかと思います。そして、とくにデスクワークに限ってみれば、腰を反って座る姿勢が腰痛を呼び起こしている可能性が多々あります。どういうことなのか、詳しく解説します。
その美しい座り方が腰を攻撃する!
「モデル座り」と呼ばれる座り方は、椅子に浅く腰掛けて胸を張り、腰をグイッと反らして座る姿勢です。
しかし、この一見して美しい姿勢が原因となり、知らず知らずのうちにあなたの腰を痛めていることがあります。こういった姿勢を続けていると、腰をそらせることが体の癖になり、いわゆる「反り腰」となってしまう可能性があるためです。デスクワークなど、長時間の座り仕事をしている人はとくに注意しなければなりません。
反り腰とは
反り腰とは、背中から腰にかけて、過剰に後ろへ反ってしまっている状態を指します。胸を張り、お尻を突き出した格好になり、骨盤は前へと傾きます。
通常、人間の背中から腰にかけては、背骨が自然なS字カーブを描いており、重い頭をはじめとした上半身を支えるためのクッションとなっています。反り腰になると、この自然なS字カーブが損なわれ、腰への負担が大きくなります。そして、腰痛の原因となってしまいます。
自分が反り腰かチェックしてみよう
反り腰になってしまっているかどうかは、セルフチェックができます。以下の方法でチェックしてみましょう。
・立っている状態でのチェック
壁を背にして立ち、後頭部、肩、お尻、かかとを壁につけます。すると腰と壁の間に隙間ができるので、その隙間に手を入れてみましょう。手のひらがすべり込む程度の隙間しかなければ正常です。隙間が大きく、握りこぶしが入ってしまうようなら、反り腰である可能性が高いでしょう。
・仰向けで寝ている状態でのチェック
床に仰向けで横たわります。その後、床と腰の間に手を入れてみましょう。手のひらが入る程度の隙間しかない人は、反り腰の可能性は低いでしょう。手のひらよりも隙間が大きくなればなるほど、橇五紙の可能性が高くなります。
この方法は柔らかい布団の上に寝るよりも、硬い床の上の方がハッキリ確認できます。
反り腰が引き起こす症状とは
・慢性的な腰痛
腰が反っているということは、腰の筋肉が過剰に緊張している状態が続いているということです。緊張が続くと筋肉が硬くなり、血流が低下して腰痛症状が現れてきます。慢性的な腰痛を放っておくと、お尻から足にかけて痛みやしびれが出る坐骨神経痛に発展する恐れもあります。
・ぽっこりお腹
反り腰になると、骨盤が前に傾きます。すると下腹部が前へ押し出された形になるため、お腹が目立つように。さらに骨盤が前傾するとお腹の筋肉に力が入りづらくなるため、筋力が低下して下腹が出てしまいます。反り腰の人は、こうしてぽっこりお腹に悩まされることになります。
・出っ尻
反り腰になることで骨盤が前傾すると、お尻が突き出たようなスタイルになります。いわゆる「出っ尻」です。さらに、骨盤が前傾するとお尻の筋肉に力が入りづらくなるため、筋力が弱まりお尻が垂れます。血流低下から体が冷えて太りやすくなるため、ただでさえ脂肪の多いお尻がさらに大きくなる可能性も高くなります。
反り腰予防の体操・ストレッチ3つ
ふだんの「座り」の習慣から「反り腰になりそう」と心当たりのある人は、ぜひ予防を心がけましょう。正しい座り方を心がけるのはもちろん、腹筋と背筋のバランスを整え体幹を鍛える体操や、反った腰を丸めるストレッチにより、反り腰を予防することが可能になります。
・ドローイン
デスクワークの方でもこっそり体幹を鍛えられるストレッチです。「ドローイン」とは、お腹をへこます深呼吸のことをいいます。気づいたときに、正しい姿勢を保ったままゆっくり深く息を吐き、お腹をさらにへこませます。その後、風船のようにお腹を膨らませることをイメージしながら深く息を吸いこみましょう。お腹の奥にある腹横筋を刺激し、腹筋を鍛えます。
・ダンゴムシ体操
反り腰の人は常に腰を後ろに反らせている状態になるため、体を丸めることにより腰回りの筋肉をストレッチすることができます。
ダンゴムシのように、体を丸めましょう。仰向けになり、両腕で膝を抱きかかえます。このとき、背中を丸めて、膝頭をのぞき込むようにします。そのまま、10秒間キープしましょう。その後、ゆっくり元の姿勢に戻ります。
・太もも前ほぐし
太ももの前側の筋肉が張っている人は、骨盤が前に倒れ、重心が前に傾きやすくなります。前に傾いた重心を無理に後ろへ移動させてバランスを取ろうと胸を反らすと、反り腰がさらに悪化します。太ももの張りをほぐすことで、体の重心バランスを整えていきましょう。
正座の状態から足の片方を前へ投げ出し、後ろに手をついてそのまま仰向けに寝ていきます。前ももの筋肉が伸びていくのが分かるでしょう。辛くなければ両肘を床に着け、完全に仰向けになり、10秒間キープ。完全に仰向けになれない人は、辛いと感じる時点で10秒静止しましょう。
腰痛になりづらい正しい椅子の座り方と悪い座り方
反り腰が気になるなら、正しい椅子の座り方を意識して過ごしましょう。以下のポイントを押さえて座れば、腰への負担がかからない上に、モデルのような座り方でなくてもよい印象を与えることができます。
頭の位置で決まる身体に優しい座り方!
座る姿勢が身体に負担がかかることは分かっていても、座る時間を削ることは難しいものです。デスクワーカーであれば勤務中の8時間をほとんど座って過ごしますし、車での移動も座らざるを得ません。職種によっては、立っている時間や寝ている時間より、座っている時間の方が長いという場合もあります。
座る姿勢が生活の大半を占めているのなら、座る姿勢を正すことが腰への負荷を減らす近道です。身体に優しい座り方のポイントは、以下の2つです。
・骨盤を立てる
まずは、”坐骨”という骨盤の一番下の骨を探します。椅子に座り、前後左右に揺れてみてください。シートに一番あたっている感覚のある部分が坐骨です。
次に、坐骨に均等に体重がかかるようにして座り、上半身を楽な位置に調整してください。この状態が「骨盤を立てる」姿勢です。
猫背でもなく、反り腰でもない位置で上半身を止めるとベストな座り姿勢となります。
ただ、反り腰が習慣化していた人は、骨盤が立った状態がわからないケースもあります。その場合は、猫背と反り腰を繰り返しながら、どのポジションが座りやすい姿勢なのかを確かめてみてください。
・頭は体の中心に置く
そのときに注意するのが、頭のポジションです。猫背のときは頭が身体の中心より前にいく傾向があり、反り腰のときは身体の重心の後ろに頭があります。
一般的に頭部は5kg前後といわれており、先にも示したとおり、それをしっかりと支えるように背骨は緩やかなS字を描きバランスを取っています。棒の先に重りを付けて持ってみるとわかりますが、棒が真上を向いてバランスを取っているときは、それほどの重さを感じなくても、棒が横を向いているときには非常に重く感じます。
身体も同じです。頭が重心から外れると背骨や筋肉などに余計な負荷がかかってしまいます。
頭を前に出さず、体の中心に持ってくることを意識しましょう。首の上にしっかり頭が乗っていることをイメージしてください。パソコンのモニターを見なければならないのでどうしても目線は下がりがちですが、20℃から30℃ほどをキープしましょう。
腰に負担をかける座り方
腰に負担をかけるのは、モデル座りだけではありません。以下のような座り方も、腰に負担をかけてしまいます。
・猫背
首が前に出てしまい、重い頭を首だけで支えなければならなくなります。なお腰が丸まってしまうため、腰、肩、首の3箇所にダメージを与えてしまう座り方です。
・滑り座り
背もたれに深くもたれかかりすぎると、腰が前に滑ってしまい、坐骨ではなく仙骨(お尻のすぐ上の出っ張った骨」で座る形になります。背中の自然なSカーブが損なわれ、腰に負担がかかります。
椅子に正しく座るためのコツ
「骨盤を立てる」「頭を体の中心に」といっても、なかなか実践しづらいと感じる人はいるでしょう。そんな方のために、椅子に正しく座るためのコツをお伝えします。ポイントは以下の4ステップです。
椅子に深く座る
椅子に浅く座ると、滑り座りやモデル座り、猫背になりやすくなります。
まずは前かがみになり、お尻が椅子の背もたれに触れるくらい深く座りましょう。
上体を起こし、あごを引き背筋を伸ばす
次にゆっくりと上体を起こし、背もたれに軽く背中を預けながら、あごを引いて背筋を伸ばしましょう。これで、頭を体の中心に持ってくることができました。
椅子に座った状態で骨盤を立てる
次は、骨盤がきちんと立っているかどうか確かめます。お尻の下に両手を差し込み、ゴツゴツした坐骨を触ります。前や後ろに体を揺すり、坐骨が手に一番強く当たる位置を探しましょう。
坐骨の手触りが一番強くなる姿勢でストップします。これで、骨盤が立ちました。
足の裏を床に完全につけて椅子に座る
座った状態で床に足の裏がしっかりつかないと、姿勢が不安定になります。姿勢が不安定だと、正しい姿勢が崩れやすくなります。
足の裏が床に完全についていることを確かめましょう。パンプスで仕事をしているなら、足先とかかとをしっかり床につけます。
足の裏が床につかない場合は、椅子の高さを調整したり、踏み台を活用したりしましょう。
正しい座り方は維持するのが難しい
座り始めは骨盤を立てた正しい座り方を意識していても、維持することが難しい、という場合もあるでしょう。骨盤を立てて座ると腰は楽になりますが、しだいにお尻が痛くなってきます。
そうすると痛くない位置に重心を移すことになり、いつの間にか身体に負荷のかかる座り方になってしまいます。特に仕事など何かに集中しているとき、気づいたらいつもの悪い姿勢になっていたというケースもあります。
この「お尻が痛い」問題を解決する最善の方法は、「座る環境」を整えることです。
例えば、椅子にクッションを置くとお尻の痛みを和らげることができます。
クッションを購入するとき価格や見た目重視で購入するケースもあるかと思いますが、長時間座って作業に集中し、反り腰による腰痛も予防したいと考えるなら、機能性クッションがオススメです。
骨盤を立てた状態を自然に維持できるよう設計されたクッションですと、長時間でも安定して座り続ることができます。さらに、座ったときにお尻にかかる圧力を分散するタイプは「お尻が痛い」問題を解決することができます。
正しい座り方をキープするために、ぜひ自分に最適な「座る環境」を作ってみてください。
腰に負担をかけにくい椅子の選び方
オフィスチェアを使っていないテレワーカーなどはとくに、椅子そのものについても、予算が許せば見直してみましょう。腰に負担をかけにくい椅子を選ぶときには、以下に注目します。
・高さ調節ができる、もしくは身長に合っている
椅子の正しい高さは、「座ったときに足裏がしっかり床につく」高さです。床に足が届かないと体が安定しなかったり、体に余計な力が入ったりします。高さを確かめてから購入するか、高さ調節ができる椅子を選びましょう。
・背もたれに高さがあり、過度に傾いていない
背もたれに体を預けすぎてしまうと腰痛のもとになりますが、背もたれがないのも、体に余計な力が入る要因になります。自然に背中を沿わせられるよう、背もたれに十分な高さのある椅子を選びましょう。また、くつろぐ姿勢を取るため過度に背もたれが傾いている椅子は、長時間の座りに不向きです。
・座面がフカフカでない
座面が柔らかすぎる椅子は姿勢が安定しないので、リラックスタイムには良くても長時間の座りには向きません。座面のクッションが柔らかすぎないものを選びましょう。座面がフラットな椅子を選んで、機能性クッションを敷くのもおすすめです。
自分に合ったクッションを見つけるには、実際に座って試す!
クッションは椅子の形状や、使用する人の体格・お悩みの場所によって使用感が異なります。購入する前に、実際に座って試すことをおすすめします。
エクスジェル シーティングラボ 直営店舗では、座った際の圧力測定が行える独自のサービス「シーティングナビ」を無料で体験することができます。自分の座り方のクセや特徴が一目で分かり、測定結果をもとに、より快適に座るためのポイントやおすすめのクッションを専門スタッフが提案します。
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「近くに店舗がない」「自宅で試したい」という方におすすめです。
デスクワークにおすすめのクッション
ザ・アウル 3D ハイエスト
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もも裏もやさしく支えます。
立体形状で座った時の骨盤を正しい角度に導いて体のS字カーブをキープ。
ハグカンフィプレミアム
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よくある質問
反り腰とは
背中から腰にかけて、過剰に後ろへ反ってしまっている状態を指します。胸を張り、お尻を突き出した格好になり、骨盤は前へと傾きます。
通常、人間の背中から腰にかけては、背骨が自然なS字カーブを描いており、重い頭をはじめとした上半身を支えるためのクッションとなっています。反り腰になると、この自然なS字カーブが損なわれ、腰への負担が大きくなります。そして、腰痛の原因となってしまいます。
反り腰が引き起こす症状とは
・慢性的な腰痛。腰が反って、腰の筋肉が過剰に緊張している状態が続くと筋肉が硬くなり、血流が低下し腰痛症状が現れてきます。
・ぽっこりお腹。反り腰になると、骨盤が前に傾きます。骨盤が前傾するとお腹の筋肉に力が入りづらくなり、筋力が低下して下腹が出てしまいます。
・出っ尻。反り腰になることで骨盤が前傾すると、お尻が突き出た「出っ尻」になります。骨盤が前傾するとお尻の筋肉に力が入りづらくなり、筋力が弱まりお尻が垂れます。
反り腰はどうしたら治る?
1.姿勢の改善。背筋を伸ばし、骨盤を立てるような姿勢を意識しましょう。座るときに背もたれを使用する、デスクやテーブルの高さを調整するなどの対策が有効です。
2.筋力トレーニング。腹部と背中の筋肉を強化することで、骨盤の安定性を向上させることができます。腹筋や背筋のエクササイズを取り入れましょう。
3.体重管理: 肥満は反り腰を悪化させる要因となります。健康的な体重を維持することで、腰への負荷が軽減されます。