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インタビュー

笹原右京選手インタビュー Vol.2

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カートで世界にその名を知らしめ、その後フォーミュラ、GTと活動の幅を広げてきた笹原右京選手。
そのキャリアを振り返ると、様々な場面でエクスジェルとの深い関わりが見えてきます。
そこで笹原右京選手にとって、エクスジェルという会社がどのような存在であったのか聞いてみました。

 


 

− エクスジェル(株式会社加地)は独自のジェル素材で医療・介護用品からモータースポーツの最先端まで、様々な分野でユニークな製品を展開するメーカーです。そのエクスジェルと笹原右京選手はどのように出会ったのでしょうか。

僕は多くのレーシングドライバーと同様にカートからレース活動を始めたのですが、当時からエクスジェルは衝撃吸収力のあるパッドやプロテクターなどでよく知られる存在でした。積極的にカートのスポンサー活動もされていたので、あの頃から社長の顔はよく覚えていましたね(笑)
大きなきっかけとなったのは、僕がカートで脇を負傷してしまった時です。その後にメジャーなレースも控えていたのですが、身体を傷めてしまってその参戦も難しいような状態でした。そこでエクスジェルのカーボン製のプロテクターベストを使わせていただけることになって、おかげでレースを続けることができたのです。


2009年、当時13歳の笹原右京選手

− エクスジェルが負傷した笹原右京選手を救った、というエピソードがスタートだったのですね。

そうですね。
その後ヨーロッパに渡ってからも、エクスジェルのプロテクターは手放せない存在でした。ヨーロッパのカートコースはラバーが乗りやすくて、あばらにもすごくキツいんです。レース自体も日本とは比べ物にならないくらいに激しくて、身体を傷めてしまうリスクも高い。
エクスジェルのプロテクターは脇、あばらの痛みから解放してくれるだけでなく、路面やカートの状態をリニアに感じ取れるところが、とても優れていますね。

− エクスジェルのカート用プロテクターが幅広いドライバーに愛用されているのには、そのような理由があるのですね。その後フォーミュラカーのレースにステップアップされたわけですが、エクスジェルとの関わりはどのように続いていったのでしょうか。

ヨーロッパでカートからフォーミュラにステップアップする時、まずエクスジェルの社長に相談に行ったんです。F1を目指す僕にとってフォーミュラにステップアップすることは念願だったのですが、いろいろなことが初めてで、大きなサポートも必要としていました。実はジュニアカーターだった頃にエクスジェルの社長から「君にはサポートが必要になる時が必ず来る、その時は相談に来なさい」と言われたことがあったんです。僕はそれをしっかりと覚えていて、ヨーロッパから一時帰国して社長に会いに行きました。
そこで僕の目標や活動計画に賛同いただくことができて、様々な面でサポートいただけることになりました。
その後フォーミュラ・ルノーというカテゴリーのレースに出始めてからも、僕はヨーロッパでほぼ一人で活動していたので、エクスジェルの皆さんに何度もヨーロッパのコースまで応援に来ていただいたことはとても心強かったですね。


2015年 Formula Renault 2.0

エクスジェルのプロダクトの面では、カート用のプロテクターからHANSパッドに使うアイテムが変わりました。HANSデバイスは首や頭部を守る重要な存在ですが、僕はベルトをかなり強く締めるので鎖骨や肩への負担がどうしても大きくなってしまう。そこでエクスジェルのHANSパッドを使うとHANSデバイスからの圧力やズレ方向の負担が軽減されて、ドライビングにより集中できるんです。
今では日本国内だけでなくヨーロッパでもエクスジェルのHANSパッドを使うドライバーが増えてきていて、どのドライバーも一度使うと手放せなくなると思いますね。

− 笹原右京選手の身体をずっとエクスジェルが守っているのですね。そしてヨーロッパでの活躍の後、活動の場を日本に移されました。

とても難しい判断でしたが、引き続いてエクスジェルからのサポートを受けられたことはありがたかったですし、重要な決断の際にはいつも相談に乗っていただいていました。
2016年から日本に移りましたが、当時日本で僕のことを知る方は少なかったですし、僕自身フォーミュラのレースで日本のコースはどこも初めてでした。日本のチームに所属することも初めてでしたから、最初はヨーロッパとの様々な違いに戸惑うこともありました。
その後2017年のFIA-F4、2018年の全日本F3と活動を続け、再び大きな転機が訪れたのは2019年のポルシェカレラカップジャパンへの参戦と、並行してフル参戦できたアジアンF3でした。そこに至るまで全く平坦な道のりではありませんでしたから、常にともに戦い、支えてくれたエクスジェルの存在は大きかったです。


2019年 ポルシェカレラカップジャパン


2019年 F3 Asian Championship

− 2019年のポルシェカレラカップジャパンとアジアンF3のダブルタイトル獲得。そこから一気に状況が変わっていきましたね。

自分でも信じられないくらいに、物凄い速さで物事が展開していって、国内のトップカテゴリーであるスーパーGT 500クラスに参戦できることになりました。チーム関係者やスポンサー、ファンの方などこれまでとは比較にならないくらいに関わる人たちも増えるので、責任の重さも実感しています。全く新しい環境になりますが、きっちりとプロの仕事を行いつつ、自分らしさも出せていけたら嬉しいですね。
振り返ると、ここまで進んでこれたのはカートの頃から様々な方に出会って、その縁を大切にしてこれたからだと思っています。どこでどのように人のつながりが発展するのかは本当にわからなくて、これまでの出会いの中で一つでも欠けていたら、今の自分はなかったかもしれないです。
エクスジェルというブランドとの出会いもそうでしたが、大切な出会いや縁を忘れることなく、これからも大切にしていこうと思っています。


 

幼少期からその才能を認められながらも、これまで多くの困難も乗り越えチャレンジを続けてきた笹原右京選手。そこには、人との出会いや縁を大切にする真摯な思いがありました。
サーキットでの熱い走りだけでなく、このような謙虚な人間性がまた人々を魅了するのでしょう。
これからもエクスジェルは笹原右京選手を応援していきます。

 

笹原右京 プロフィール

1996年4月24日 群馬県沼田市に生まれる。

整備工場を営む両親のもとで幼少よりモータースポーツに親しみ、8歳でカートレースにデビュー。

その類まれな才能はすぐに頭角を現し、数々のカートレースで優勝を重ねチャンピオンの座も数多く獲得。ROTAX MAX CHALLENGEの世界チャンピオンに2度輝いたことで、海外にも笹原右京の名を広く知らしめた。

2012年からは単身ヨーロッパに渡り、16歳の若さでプロドライバーと呼べる存在にまでなった。

2013年からはヨーロッパでフォーミュラカーのレースに参戦開始。その実力はヨーロッパでも高く評価された。

ヨーロッパのフォーミュラで優勝経験も積んだ後、2016年にはホンダのスカラシップを目指し活動の拠点を日本に移した。

2017年にFIA-F4でシリーズ2位、2018には全日本F3選手権でシリーズ3位と着実にキャリアを重ね、2018年にはポルシェカレラカップジャパンとF3アジア選手権でダブルタイトルを獲得。

その経験を認められ、2020年にはスーパーGTのTEAM Red Bull MUGENからフル参戦を果たす。

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